センセイ達の内緒話
「俺達3人は、禁断の恋をしてしまったってことやな」
黒岩先生がしみじみとそう言うと、青山先生は大きく息を吐いた。
「生徒に恋をするなんて、絶対にないと思ってたのに。おかしいな」
「そんなもんですよ。絶対、なんてないんやよ。俺だって、生徒を好きになるなんて思ってなかった」
黒岩先生の後に緑川先生も続く。
「俺だってそうです。俺なんてめちゃ年上やし・・・・・・高校生に恋をする資格なんてないのに」
「でも、大越は緑川先生を好きになってくれた。しかも、めちゃめちゃ真剣に」
黒岩先生はそう言って、緑川先生の肩を叩いた。
「ありがたいことやけど・・・・・・」
「緑川先生の人生ですよ。無理して好きじゃない女性と結婚して幸せになれますか?」
青山先生は少し酔っ払ったのか、絡むようにして緑川先生に近付く。
「小阪が言ってました。緑川先生のご両親は、好きじゃない相手と結婚するって知って、喜ぶんかなって・・・・・・」
黒岩先生は持っていたお酒を飲み干す。
「小阪の言う通りや。俺は親の為って言いながら、勇気がないだけ。覚悟もない。大越を好きでいることに自信がないだけかもしれん」
「一度の人生、やり直しはできません!!」
強い口調でそう言った青山先生はすっかり顔が赤くなっていた。