センセイ達の内緒話






枝豆を手のひらに乗せた黒岩先生が、言う。





「じゃあ、みんな今の気持ちを吐き出そうや」





3人とも大人だけど、初めて恋をした少年のような顔をしていた。






「俺は姫華を好きでいます。会えなくてもこの気持ちは変わることないから」




「覚悟決めたんやな。青山先生は。俺は・・・・・・自分の気持ちに正直になることにする。親の為に焦ったり、周りの目を気にしたりせずに、自分の気持ちを一番に考える」




そう言った緑川先生に黒岩先生が言う。




「もっとはっきりした目標は?」




「俺の場合は、大越は今現在も生徒やし、まだ2年やし・・・・・・心の中で静かに想っておくつもり」




黒岩先生は中学の教師。


青山先生は違う高校へ転勤した。


だから、緑川先生が一番禁断・・・・・・




「人のことばっかり言うてるけど、黒岩先生も煮え切らんやん。小阪、かわいそうちゃう?」




緑川先生にそう指摘され、黒岩先生が語り出す。




「俺もいろいろ考えてるんです。ほんまなら今すぐ付き合いたい。束縛したいし、他の男と遊ぶなって言いたい。だけど、高校生にそれを言うのは・・・・・・ねぇ。だから、自分の為にも、アイツの為にも今は恋人同士にはならん方がいいと思ってるんです」



グラスの先にいる愛しい人を見つめるような黒岩先生の表情が切ない。





「今も大事やけど、俺達にはその先の方が大事やから。卒業したらプロポーズしようと思ってる」




プロポーズ!

その言葉を聞いて、緑川先生と青山先生もびっくり。




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