蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
5.印
肌に触れる温もりが、気持ちいい……。
木葉はうっすらと目を開けた。
肩と腰に回った腕が、ぐっと木葉を抱き寄せる。
「……気が付いた? 木葉」
「あ……」
意識を取り戻した木葉は、自分が圭斗の腕の中にいることに気が付いた。
周りを見渡すと、ラタンのベッドに藤の照明、そして部屋の隅に観葉植物が置かれているのが見える。
圭斗はベッドサイドに置いてあった水のペットボトルを手に取った。
それを見た瞬間、木葉は自分の喉がとても乾いていることに気が付いた。
圭斗はくすりと愛おしげに笑う。
「飲ませてあげるよ」
圭斗はペットボトルの水を口に含み、木葉に口づけた。
木葉はこくんと水を飲み干し、圭斗をまじまじと見た。
――――なんだか前にもこうしたような気がする。
首を傾げた木葉に、圭斗は悪戯っぽく微笑んで言う。