蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
「そういえば。圭兄、今週末は出張みたいよ?」
「え、そうなの?」
「大阪で研修があるんだって。大変よね~、医者も」
凛花の言葉に、木葉はそうなのかと頷いた。
この頃毎週のようにデートしていたので、予定のない週末はなんだか寂しい。
しかし圭斗の傍にいるなら、この寂しさにも慣れていかなければならないのだろう。
それに寂しいと言っても、以前感じていたような足元が掬われるような寂しさとは違う。
寂しいけれど、心の奥は暖かい。
圭斗の笑顔を思い出すと頑張ろうという気分になれる。
「これが、恋なのかな……?」
「ちょっとアンタ。前触れなくノロけないでよ……」
凛花が呆れたように言う。
木葉は少し笑い、残りのオムライスを口に運んだ。