蜜色トライアングル ~Edges of precise jade



「そういえば。圭兄、今週末は出張みたいよ?」

「え、そうなの?」

「大阪で研修があるんだって。大変よね~、医者も」


凛花の言葉に、木葉はそうなのかと頷いた。

この頃毎週のようにデートしていたので、予定のない週末はなんだか寂しい。

しかし圭斗の傍にいるなら、この寂しさにも慣れていかなければならないのだろう。


それに寂しいと言っても、以前感じていたような足元が掬われるような寂しさとは違う。

寂しいけれど、心の奥は暖かい。

圭斗の笑顔を思い出すと頑張ろうという気分になれる。


「これが、恋なのかな……?」

「ちょっとアンタ。前触れなくノロけないでよ……」


凛花が呆れたように言う。

木葉は少し笑い、残りのオムライスを口に運んだ。


< 125 / 161 >

この作品をシェア

pagetop