蜜色トライアングル ~Edges of precise jade



父は頷きながら言う。

木葉は頭がクラッとするのを感じた。

まさか父に同棲を勧められるとは……。

そこまで父に信頼されている圭斗もすごいが、信頼する父も普通ではない。


「そ、それは、また圭ちゃんに相談してみる……」

「そうだな。決まったら教えてくれ」


――――既に外堀は完璧に埋められている。


にこにこと上機嫌に笑う父を尻目に、木葉は考えた。

……もうここまできたら道は一つしかない。


今度、圭斗に相談しよう……。

木葉は決心し、父の病室を辞した。


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