蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
圭斗に言われ、木葉は思わず頬に手を当てた。
……自分ではわからない。
見上げる木葉に、圭斗はにっこり笑って椅子を指差した。
「まだ時間あるから、診てあげるよ?」
「……え」
「ほら、早く座って?」
圭斗に急かされ、木葉は診察用の回転椅子に座った。
圭斗も診療机の前の椅子に座り、木葉に向き直る。
「顔は赤いけど……熱はなさそうだね。後で念のため、測っておこうか」
「……うん」
「胃が痛いとか、ムカつき感は、ない?」
「……う、うん」
木葉はぼうっとした頭で圭斗を見上げていた。
ここにずっと勤めてはいるものの、圭斗の診察を受けるのは初めてだ。
なんだか緊張する。
「ちょっとごめんね」
圭斗は下まぶたを引っ張り、状態を確認したあと、喉に触れた。