蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
その日の夜。
マンションの内見の後、二人はインペリアルタワーのレストランに入った。
展望デッキと同じ54階にあるそのレストランからは、美しい夜景が展望できる。
「キレイ……」
木葉の瞳に都内の夜景が映る。
木葉はピンクのワンピースを着、髪を後ろでまとめていた。
耳には真珠のイアリングをつけ、ヒールのパンプスを履いている。
インペリアルタワーのレストランに行くというので、木葉は頑張って精いっぱいのお洒落をしてみた。
まだ慣れないが、たまにはこういう格好をするのも新鮮でいい。
圭斗は上下を紺ストライプのスーツでまとめ、ネクタイを締めている。
いつも病院でワイシャツ姿は見ているが、スーツ姿はまた雰囲気が違って見える。
「乾杯」
ワインのグラスを持ち上げ、圭斗が微笑む。
――――いつも木葉を見守る、優しい瞳。
木葉もグラスを持ち上げ、にこりと笑った。
「木葉、きれいだね。その格好、よく似合ってるよ」
「本当?」