蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
圭斗が箱を開けると、中から指輪が現れた。
前に圭斗にもらった指輪とは違って真ん中にダイヤがついており、その周りはルビーやサファイアなど色とりどりの小さな宝石で飾られている。
美しいが、どこかかわいらしい。
木葉は思わず声を上げた。
「キレイ……」
木葉の言葉に、圭斗は少し笑った。
すっと背筋を伸ばし、正面から木葉を見つめる。
「もう何度も言ったけど、もう一度、ちゃんと言おうと思って」
「圭ちゃん……」
顔を上げた木葉に、圭斗は眼鏡の奥の瞳を細めて笑った。
木葉の大好きな、優しい微笑み。
「木葉、おれと結婚してほしい」
圭斗は言い、指輪を木葉の左手の薬指にはめた。
指輪はキャンドルの光を受けてきらきらと輝く。
木葉はじわりと目頭が熱くなるのを感じた。
「……っ」
「……返事は?」
「……はい」