蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
3.解き放たれた想い
――――ひどく淫卑な夢を見ていた気がする。
熱い絹に触れているような温かさと、体中を包む甘い柑橘系の香りがひどく心地よい。
耳を蕩かすような甘く掠れた声に、どことなく懐かしさを感じる。
……この腕の中にいれば、何も怖くない……。
木葉は無意識のうちにその腕に身を委ねていた。
熱い波の中で体中を愛撫され、口づけられ、高められて……。
自分のものとは思えない喘ぎ声を上げながら、何度も白い静寂の世界に飛ばされる。
痙攣している部分に触れられるとさらに疼きが広がり、胸の尖りに与えられる刺激が快感を何倍にも高めていく。
『……木葉……』
――――聞き覚えのある、優しい声。
心落ち着く柑橘系の香り。
抱きついた体は暖かく、ずっとこうしていたいような気分になる。
『いくらでも、してあげるよ』
耳、首筋、胸、へそ……
暖かい唇は赤い花を咲かせながら下へと降りていく。
足の間のぷっくりした芽に口づけられると、何も考えられなくなる。
切ない喘ぎ声を上げる木葉の体を、強い腕がぐっと抱きしめる。