蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
『だから……おれが欲しいって言って?』
――――優しい声。
木葉に快楽を与える、優しい指。
柔らかい、優しい笑顔。
木葉が昔からずっと、大好きだった笑顔……。
「あ……」
木葉はうっすらと目を開けた。
朝日が差し込む部屋……。
全く見覚えのない天井だ。
茫洋とした視界の端に、優しい瞳が映る。
木葉はその瞳の持ち主を良く知っていた。
「……圭ちゃん?」
木葉はぼうっとしたまま小首を傾げた。
なぜ圭斗がここにいるのだろうか?
圭斗は至近距離で木葉を見つめている。
その距離の近さは普通ではない。
それに、いつも掛けている眼鏡もない。