蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
「ねぇ、木葉」
「……」
「木葉」
「……」
「聞いて」
あまりのことに、圭斗の言葉が耳に入らない。
木葉は自分の身を抱きしめ、愕然とした様子で辺りを見回した。
――――信じられない。
この状況がどういうものであるのか、さすがの木葉も分かっている。
しかし……まさか……。
混乱の極致にいた木葉の前で、圭斗はすっと真面目な顔になった。
木葉の肩を掴み、自分の方へと向かせる。
強い瞳がじっと木葉を見つめる。
その視線に動きを封じられ息を飲んだ木葉に、圭斗は一息ではっきりと言った。
「おれは木葉がずっと好きだった」
「……」
「いきなりこんなことになってびっくりしたけど、木葉も同じ気持ちだって知ってとても嬉しい」
「――――え?」