蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
確かに木葉はずっと昔から、年上の従兄を憧れの気持ちで見ていた。
その感情は恋に近いものだったかもしれない。
ひょっとして自分でも気づかないうちに、昨日の行為の中でその想いを圭斗に告げていたのだろうか?
「……」
わからない。
――――まるで、わからない。
自分の心なのに全くわからない。
あまりのことに、冬青と由弦が兄弟ではなかったという衝撃もどこか頭の隅に押しやられている。
衝撃をさらに別の衝撃が覆い隠したような感じだ。
これからどうすべきか、考えなければならないのに……。
木葉は窓の外に映る光景をぼうっと眺めていた。