蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
病院に着いた二人は父の病室に向かった。
病室の扉をノックしようとした木葉だったが、中から声がすることに気付き首を傾げた。
年配のご婦人の声と、壮年の男性の声と……そして、父の声。
木葉が静かにドアを開けると、視線が一斉にドアの方を向いた。
「あら、木葉ちゃん」
中にいたのは父と伯父の清一、そして昭子だった。
昭子が二人の姿を見、驚いたように声を上げる。
「……と、あら、圭斗も?」
「お邪魔します」
いつもの微笑みで圭斗は清二に挨拶する。
清二の脇には清一の姿がある。
どうやら昭子と二人で見舞いに来たらしい。
「わざわざ悪いな、圭斗君」
「いえ。お加減はどうですか?」
「ぼちぼちだな。大分良くなってきているよ」