蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
5.凛花の助言
数日後。
木葉は凛花とともに近くのカフェでお茶をしていた。
自然派カフェと銘打ったその店は自家焙煎のコーヒーや無農薬の野菜や果実を使ったスイーツが好評で、二人はたまにここでお茶をしている。
「でね、礼サマがね。今度、CMで汚れドワーフ役をやるの~!」
凛花は目を輝かせて言う。
――――汚れドワーフ役をやる売れ筋俳優。
落ち武者役といい、もはやここまでくると彼の嗜好なんだろうなと思わずにはいられない。
木葉は凛花の話を聞きながら、うわの空でストローをつついていた。
――――あれから一週間。
圭斗も木葉もこれまで通り病院に勤務していた。
一見、何も変わらない二人の関係。
しかし事務室などで二人きりになると……。
「……」
木葉はぽっと頬を赤らめた。
……まだまだ自分は子供だ。