蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
「ちょっとあんた、なに赤くなってんのよ……」
そんな木葉を、凛花が呆れたような目で見る。
あれからすぐに圭斗が凛花に二人の件を話したらしく、凛花も二人の事情を知ることとなった。
「あんたさ。頭の中に花咲いてない?」
「……えっ!?」
「まぁ、あんたより圭兄の方が重症だけどね……」
くすくすと面白そうに笑い、凛花は顔を近づける。
木葉はきょとんと凛花を見た。
「気を付けた方がいいわよ? 圭兄、がっつり外堀埋めてくるから」
「へっ……」
「脅すわけじゃないけど、こうなったらもう逃げられないわよ、あんた?」
「……っ……」
「圭兄は決めたら早いからね~。それにしても、10年以上経ってこの展開って……。勘弁してほしいわー」
凛花は楽しそうにカラカラと笑う。
木葉は上目づかいで凛花を見た。
……何も言えない。
凛花はひとしきり笑った後、木葉にふっと視線を戻した。