蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
「でもあんた、イヤなことははっきりイヤって言った方がいいわよ?」
「……」
「でないとあっという間に結婚して、子供作って、孫の顔見るハメになるわよ?」
「……そ、そんな」
それはいくらなんでも早すぎだろう。
……と木葉は思ったが、凛花の表情を見る限り冗談でもないらしい。
「だってもう、お互いの親への報告は終わってるわけでしょ?」
「……」
「こう言っちゃなんだけど。外堀の70%は既に埋められてる計算よ」
凛花は身を乗り出して言う。
……70%って……。
何をどう計算したらそうなるのか、よくわからない。
しかしそんな気も……しなくもない。
唖然とする木葉に凛花は続ける。
「圭兄は計算高いことにかけては、右に出る人はいないからね?」
「……」
「コレって決めたら、ほんと早いから。あんた今、そのターゲットになってんのよ」
凛花はまるでゴルゴに命を狙われているかのように言う。
木葉は頭を抱えた。