蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
押し黙った木葉の顔を、凛花がじっと覗き込んだ。
「でも私が知る限り、古株はダントツであんたよ?」
「……」
「あんたを忘れるために、他の人と付き合ってるって感じがしたわ。彼女といても、あんたから連絡あると、すぐに飛んでいったしね?」
「……」
「だから自信持ちなさいな。圭兄にはあんたしかいない。ちょっと愛が重いかもしれないけど、慣れよ、慣れ」
凛花はカラカラと笑う。
木葉も少し笑って凛花を見つめた。
圭斗の気持ちは木葉ももうなんとなくわかっている。
眼差しも、言葉も、態度も……全てに、自分への想いが表れている。
昔は見守るように穏やかだった瞳が今、熱を帯びて自分を見つめている。
その瞳の熱さが、自分を好きだと言った圭斗の言葉に嘘はないと伝えている。
今はまだ、自分の気持ちがよくわからない。
でもいつか、圭斗の気持ちと同じくらい、自分も圭斗を好きになりたい……。
木葉は心から思った。