蜜色トライアングル ~Edges of precise jade



レストランで夕食をとって、夜景を見て、それから……。

その先に何があるのか、木葉はもう知っている。

木葉はコクリと息を飲んだ。

圭斗の視線は優しく穏やかで、……しかしどこか艶っぽい。

その瞳に、胸の鼓動が早くなっていく。


でも……。

泊まる準備などしてこなかったし、関係を持つのはまだ正直躊躇いがある。

何も言えず俯いた木葉に、圭斗はくすりと笑った。


「そんな顔しないで、木葉」

「……圭ちゃん」

「明日は仕事だからね。遅くならないうちに帰すよ?」


圭斗は安心させるように木葉に言う。

木葉はほっとし肩を下ろした。

どうやら動揺していたことを見抜かれていたらしい。


やはり、圭斗は大人だ。

自分のことなど全てお見通しなのだろう。

しかし……。



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