蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
「じゃあ……今は?」
「……え?」
「今は……好き?」
圭斗の目が至近距離で木葉を見つめる。
いつも優しい瞳が、強引な光を帯びている。
『逃がさない』と告げるその瞳に、木葉の体の芯がぞくっと震える。
圭斗のこの瞳を前にすると、木葉は何も考えることができなくなってしまう。
体が金縛りになったかのように動かなくなる。
微動だに出来ない木葉に、圭斗は顔を近づける。
そのまま圭斗は目を伏せ、唇の先で木葉の頬に軽く触れた。
触れた部分から伝わる温もりが、木葉の心をじんと熱くする。
「……好きって言って」
「……」
心臓が壊れそうなほどにドキドキする。
呆然と見上げる木葉に、圭斗は甘い声で囁く。
「木葉。言って?」
「……」