蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
まるで誘導されているように、心が圭斗の方へと傾いていく。
しかし言葉にならない。
唇を震わせる木葉に、圭斗はくすりと笑って言う。
「ほら……、一つ何でも言うこと聞く約束だろ? ……おれのこと、好きって言って?」
圭斗の言葉に木葉は目を見開いた。
確かにそういう約束ではある。
しかし、ここでそれを出すか?
……と思いつつも、圭斗の瞳から目が離せない。
無意識のうちに、唇が開く。
この強引さも、優しさも……この瞳も……。
たぶん、自分は……。
「す……」
「す?」
「……き?」
「なんでそこで疑問形なの」
圭斗は言うなり、唇を寄せた。
圭斗の唇が木葉の唇に優しく触れ、包み込む。
唇は次第に熱く、深くなっていく。
――――腰に、力が入らない。
木葉は圭斗の腕にしがみついた。