蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
由弦の瞳が、じっと木葉を見つめている。
その顔は切実で、泣きそうで……そして、刃のように鋭い。
木葉の視線の先で、由弦の長い睫毛がすっと伏せられた。
そのままあっという間に距離を詰められ……そして。
「……んぅっ……」
木葉は唇を襲った感触に息を飲んだ。
至近距離に迫る由弦の睫毛、鼻筋……。
――――キス、されている。
木葉は何が何だかわからぬまま、ただ呆然としていた。
……現実と思えない。
やがて唇が外され、縋るように強く抱きしめられる。
「木葉……っ」
由弦の瞳に渦巻く、嫉妬と、怒りと――――熱情。
由弦のこんな瞳は見たことがない。
呆然としていた木葉の目前に再び由弦の唇が迫る。
木葉はとっさに腕を伸ばし、距離を取った。