蜜色トライアングル ~Edges of precise jade



「知ってて……なのに、圭斗を好きになったの?」

「……っ……」

「あいつがどんな人間か、オレは知ってる。あいつは計算高くて、自分の望むもののためなら手段を選ばない。そういう人間だ」

「……」

「なんであいつなんかを好きになった? どうしてオレじゃなくて、あいつを?」


由弦は切なげな目で続ける。

驚きのあまり何も言えない木葉に、由弦は決定的な言葉を口にした。


「オレはずっと昔から木葉のことが好きだった。あいつなんかよりもっと近くで、ずっと木葉を見てた」

「……由弦……」


由弦の瞳から想いが流れ込む。

その瞳が、由弦の言葉に嘘はないことを告げている。


「……なんで、オレじゃないんだ?」

「……っ……」

「オレがずっと、どんな気持ちで……木葉を……」


背に回された由弦の腕が、震えている。

由弦のグリーンノートの香りが鼻先をかすめる。


と、そのとき。


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