蜜色トライアングル ～Edges of precise jade

「あんたには関係ないだろ?」

「関係なくもないわよ。兄の恋路を妹としては応援したいわ」


凛花は嫣然と笑い、由弦を見上げる。

その目はいつもの楽しげな感じではなく、真剣だ。


「あんたが木葉を好きだってのは、前から知ってたわ。ていうか、知らなかったのは木葉だけでしょうね」

「……」

「でももう、賽は投げられたのよ。二週間前にね?」


凛花は真剣な、しかしどこか気遣わしげな目で由弦を見る。

二人の姿を木葉は息を飲んで見つめていた。


「あんたが挑むってならご自由に。でもあんたも想像つくと思うけど、圭兄はどんな手を使ってでも敵を排除しにかかるわよ?」

「……」

「あんたを社会的に抹殺することも全く躊躇しないでしょうね。……そんなことを、木葉が望むと思う?」


凛花は痛ましげな目で諭すように言う。

由弦は喉に何かを詰まらせたような苦しげな顔で黙り込んでいたが、やがて顔を上げて凛花を見た。