蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
2.兄の助言
夜。
お風呂から上がった木葉はベッドに力なく座り込んだ。
見ると、ベッド脇に置かれた携帯が光っている。
携帯を開くと、圭斗からメールが入っていた。
『今日はあまり話ができなくてごめんな。また明日会おう。おやすみ』
いつもと同じ、簡潔な圭斗のメール。
その中に涼子のことは一言も触れられていなかった。
「……っ……」
木葉はパタンと携帯を閉じた。
返事をしないとと思っても頭の中がぐるぐるし、言葉にならない。
涼子はずっと圭斗と一緒にいたのだろうか?
あの綺麗な人と、ずって……。
これまでに感じたことのない嫉妬が胸に湧き上がる。
胸に広がる痛みに、木葉は唇を噛みしめた。
これまで、圭斗の彼女に会ったことはなかった。
想像したことはあったが、実際に会うのは初めてだった。
しかし、ここまで自分と違うとは思ってもみなかった……。