蜜色トライアングル ~Edges of precise jade
自分がもっと綺麗なら、こんなに嫉妬せずに済んだのかもしれない。
あんな綺麗な人と付き合っていたのに……。
圭斗は一体自分のどこが好きなのだろう?
――――わからない。
「……圭……ちゃん……」
と、枕に涙をこすりつけたとき。
コンコンと控えめなノックの音がし、木葉ははっと顔を上げた。
「木葉、俺だ」
「……お兄ちゃん?」
「入るぞ」
声とともに部屋着姿の冬青が部屋に入ってきた。
スタスタとベッド脇まで歩き、木葉を見下ろす。
その目は相変わらず涼しげで、美しい。
その目にじっと見つめられ、木葉はなんとなく気恥ずかしくなりぐいと目元をぬぐった。
「泣いていたのか?」
「……」
「圭斗か?」