蜜色トライアングル ~Edges of precise jade



「どうしたの、圭ちゃん?」

「……」


圭斗は無表情で木葉を見下ろしている。

その眼差しと言い、態度と言い、いつもと明らかに様子が違う。

訝しむ木葉に、圭斗は短く言った。


「……木葉、来て?」


圭斗は木葉の手を掴み、歩き出す。

いつになく強引な圭斗に、木葉は驚いて声を上げた。


「圭ちゃん!?」


木葉が呼んでも圭斗は立ち止まらない。

木葉は戸惑いながら、圭斗に引きずられるように玄関を出た……。


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