お前が好きなのは俺だろ?



「おっ!玲っ!!」



教室に入るといつも通りテンションの高い弘也がすぐに俺の席へとやってくる。



「おはよう、弘也」



俺もそれにニッコリと返す。



「あのさ……昨日のことなんだけど」



昨日……



「ん?どうしたの?」



周りにはたくさんのクラスメイトが居るから、笑顔を崩さない。



「その、未来ちゃんはさ……」



「ごめん、弘也。先生に職員室に呼ばれてたんだ」



「あっ、おい!玲っ!!」



呼ばれてなんかいないくせに、とっさにそう言って教室を出ていた。




ただあいつの口から『未来ちゃん』なんて言葉を聞くのが、またイラついたから。



授業が始まるギリギリに帰ってきて、そこからはいつも通り授業を受けた。




< 131 / 424 >

この作品をシェア

pagetop