お前が好きなのは俺だろ?
「玲君と何かあったならいつでも相談しなさい」
「……うん」
もう一度ギュッと抱きしめて、あたしもお母さんも家を出た。
「はぁ―……」
もう一ノ宮君は先に行っちゃったよね……
話しかけてくれなくなって、もう1ヶ月が経とうとしている―……
――――――――――……
「暗いな~」
「あっ、智香……」
「これは重傷だわ……」
昼休みになり、あたしの席に向かい合って座りながらそう呟く智香。
「まだケンカしてるわけ?」
「ケンカじゃないんだけど……」
ケンカじゃないからこそ、困る。
そもそもさ、なんであっちがあたしを避けるわけ?