お前が好きなのは俺だろ?
*ただ、それだけ‐玲Side‐
『未来、俺のこと好きだもんな?』
自分で言った言葉なのに、胸が痛んだ。
まるで『好きでいてほしい』と言ってしまってるような気がしたから―……
――――――……
「それでさ―……あの後、智香ちゃんがさ―……」
放課後になると、すぐに俺にところにやって来て、そのことしか話さない弘也。
まぁ朝はクラスメイトが居て、俺がまともに弘也と話さないからな……
それを分かっていて、わざわざ放課後にこうやって話に来るんだろう。
でもこいつ、未来のことが好きなんだろ?
なんでこんな未来の友人の話なんかを……
「あっ、そういえばお前んち、いつ入籍するわけ?」
「は?」
「まだ籍入れてないだろ?」
「あぁ―、確か再来月の祥子さんの誕生日だと思う」
意外に俺の父親はロマンチストだからな。