お前が好きなのは俺だろ?


「デート行く」



「え……?」



「明日、弘也君にあたしのメルアド教えてて。そしたら一ノ宮君を通さずに連絡取れるから」



「あっ……」



「話はそれだけ?だったら出ていって」



冷たく投げかけられる言葉。



「わざわざお手数おかけしてすみませんね。お兄ちゃん」



「っ……」



嫌味を込めて『お兄ちゃん』と呼んだんだろう……



でも、胸がツキンと痛んだのは、少なからず俺がショックを受けているからか……?




締め出されるようにして出された未来の部屋のドアの前で、ただ立ちすくんだ。




自分で昨日言ったんだ。



未来は『妹』だと……



なのになんで……



なんで未来が俺を『お兄ちゃん』というと、こんなに苦しくなる?





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