お前が好きなのは俺だろ?
「っ……だからそろそろ未来ちゃんに帰って来るように……」
「勇吾さん、さっきも言いましたけど、大丈夫ですよ。きっとお相手の男の子が送ってくれるでしょうし」
「うっ……」
30分前からずっとリビングのテーブルで同じ会話をしている両親。
父さんは未来のことが気になって仕方ないようだ。
さっきから祥子さんが宥めることを繰り返している。
「そ、そうだよな……。でも一応何時頃に帰って来るかだけでも……」
父さん……
まさかあなたがこんな親バカなんて知りませんでしたよ……
まぁ、でも祥子さんの読みは外れて、未来は一人で帰って来ますよ。
弘也からのメール通りなら。
「そ、そうだっ!玲っ!せっかくだから未来ちゃんを迎えに行ってやりなさい」
「え……?」
突然の申し出に、少し間抜けな声が出た。