お前が好きなのは俺だろ?
「こんな心配してくれるお兄ちゃんが居るんですから」
「あっ……」
そうだ。
何を焦っているんだ、俺は……
父さんが言った『心配』と言ったのは、『妹』の未来に対して……
冷静になれば……
いや、普通にそう思うところだろ……
なのに、俺はバカみたいに取り乱して……
「未来ちゃんのことは任せてください。大事な妹なので……」
そうだ。
これが正解だ。
『妹』の未来を心配するのは『兄』として普通のこと。
なのに何動揺してんだよ……俺は……
「じゃあ未来ちゃんに連絡しておきますね」
「えぇ、よろしくね」
「はい」
連絡なんてしなくても、弘也がきっと未来に伝えている。
そう分かっているのに、ここには居づらくて、リビングを出た。