お前が好きなのは俺だろ?


――『すごく可愛いヤキモチですね』



ヤキモチなんて妬くわけがない。



このデートだって、これが最初で最後のデート……



履き替えたスカートの丈を少しキュッと握って、鏡に映る自分を見つめる。




そして、小さくため息を一つ落とした。



最後のデートなら、一生したくなかったな……




「お着替え終わりましたか~~?」



「あっ、はい」



「それじゃ失礼しますね~~」



カーテンを少しゆっくりと開けられる。



「とてもお似合いですよっ!」



「は、ははっ……」



何故か興奮気味で大絶賛な店員さん。



「うん、思ったとおりだ。かわいい」



「っ///」



たった一言で、あたしの体温を2、3度ほどあげてしまう彼は、やっぱり強者だ……




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