お前が好きなのは俺だろ?
「何気に料理うまいし」
「何気には失礼!!」
「でも、未来もきっとそのうち誰かの奥さんになるんだろうな―……」
「っ……」
誰かの……奥さん。
そうしたら、未来は俺じゃない奴のために料理を作るのか?
俺の為じゃなく、ほかのヤツの為に……
それは……絶対にイヤだ。
こいつが俺のモノじゃなくなるなんて。
他のヤツのモノになるなんて……
あぁ、俺は自分で思っている以上に未来に惚れているな。
そうか。
他のヤツの嫁にしなければいいんだ。
俺の嫁にすれば、いいのか。
そう一人で納得しながら、俺は未来の作ってくれたサラダに箸をのばした。
そう、俺はいつも言葉が足りない。
この時だって、未来が俺の言葉に傷ついていたことなんて……
全く気付いてなかったんだ―……