お前が好きなのは俺だろ?
それから少しして授業を知らせるチャイムが鳴り響いた。
――ガラッ
それと同時に開いたドア。
美人教師ってのには別に興味ないけど、開いたドアをただ何となく見ていた。
「……っ」
「……あ」
小さく声を漏らしたのは、俺と……加奈子。
「先生?」
「えっ、あっ、ごめんなさいね」
ハッとしたように俺から視線を反らし、教卓に足を進める。
「初めまして。今日から古文を教えます、飯島加奈子です。よろしくね」
変わっていない……
ふんわりと笑う仕草も……
綺麗な立ち振る舞いも……
そして……男を魅了するこの雰囲気も―……