お前が好きなのは俺だろ?
――――――――――……
「いつ帰って来てたんだよ」
「最近よ。それでここの古文の教師に誘われたから来たの」
「ふーん。そう」
「ふふっ。相変わらず素っ気ない返事ね。……玲」
っ……
授業が終わってすぐに、資料作りを手伝ってほしいと言われ、資料室に呼ばれた俺。
「飯島先生。ここでは一ノ宮君と呼んだ方がいいですよ」
仮にも教師なんだから。
「本当に昔と変わらないわね……。そうやって冷たくあたしをあしらうのも……」
「……資料作りの手伝い、いらなそうですね。それでしたら僕は帰ります」
ニコッと笑顔でそう言い、ドアに手をかけた……瞬間。
「待って!玲っ!!」
ギュッと腕にしがみついてくる加奈子。
「……」
「あたし、ずっと会いたかったの……。ずっと玲に……」