お前が好きなのは俺だろ?
「そのまま意識しとけ」
「っ……」
「ついでに、心の準備もな」
そう言って赤い顔をしたあたしをキッチンに1人その場に残して、一ノ宮君は離れていった。
―――――――――……
「へ~、準備なんて優しいのね~。王子様は」
「や、優しいのかな?」
だってあれ以来、意識しちゃって大変なんだもん……
「だって押し倒せばいいものを、待っててくれてるんでしょ?」
「っ―……///」
「しかもあの王子様なら、甘い言葉の一つや二つ囁けば、未来はすぐに抱かれるはず……」
「うわぁぁぁぁ!智香!何を言おうとしてるの!?」
智香の口を必死に抑えて、言葉を遮る。
ここ一応教室なのに……