お前が好きなのは俺だろ?
そうしたらやっぱり隠してた方がいいんだろう。
一ノ宮君とはそういう話をしたことは無いけど、きっとそう思っていると思う。
「でもさ、それっていつまで隠し続けるの?」
「え?」
「そのままずっと隠し続けるなんて、きっと無理だと思うよ」
「そ……うだね」
本当はあたしもそう思っていた。
いつまで隠し続けるのか……
それとも、やっぱり、いつかはこの関係を終わらせる気なのかな……?
――ガラッ
その時開いた教室のドア。
「あれー?飯島先生どうしたの」
昨日と同様、クラスのムードメーカーの男の子が飯島先生に話しかける。
「あっ、昼休みにごめんね。次の授業で使う教材を一緒に運んでほしいんだけど……。古文の担当の生徒は居るかな?」
綺麗なブロンドの髪を、そっと耳にかけるその姿は、とても美しい。