お前が好きなのは俺だろ?
「あっ、拾いますよ」
「ありがとう、ごめんなさいね。モノを落とすなって、よく注意されるのよ」
頬をほんのり赤く染めて、恥ずかしそうにプリントを拾う飯島先生。
「意外です。完璧そうに見えたから」
「ふふっ。完璧なんて。本当によく注意されてたのよ」
「彼氏さんですか?」
あっ……
そう聞いてしまってしまったことに後悔した。
先生、彼氏とは留学前に別れたって……
「そうね、彼にもよく……あっ」
「せ、先生!?」
ほろりと瞳から流れた涙。
や、ヤバいっ!泣かしてしまった!!
「先生!泣かないでくださいっ!!」
「あっ、ごめんね……。振られた時のことを思い出しちゃって……」
そう言って涙をぬぐうその仕草は、とても綺麗だった。