お前が好きなのは俺だろ?

*俺の部屋に行く?‐玲SIde‐



「それで?こんなところに呼び出して何の用?」



「つれないな~。玲」




「一ノ宮です。飯島先生」



目の前で艶美に笑う女。



放課後になり、帰ろうとする俺を引きとめて資料室に連れてきた加奈子。



しかも生徒がたくさんいる前で『昨日の続きを手伝ってほしい』というもっともな理由で。



俺が優等生を演じていると知ってて、あえてこの行動に出たんだろう。



人前では断らないと知って……




「資料なんて、昨日からないはずですけど?」



早く帰りたい……



「そんなの嘘に決まってるじゃん。ただ玲と話したかっただけ」



ニコリと笑うその笑みに、イラつきを覚える。



加奈子が家庭教師をしていた時は全然そんなこと思ったことなかった。



つーか、どうでもよかった。




< 262 / 424 >

この作品をシェア

pagetop