お前が好きなのは俺だろ?
俺も色々と試したい年頃だったし、ただ肉体的欲求を満たせていればそれでよかった。
でも今は、こいつの嫌味な笑顔も……
簡単につく嘘も……
イラついて仕方ない。
きっとそれは……
「未来ちゃんって、凄く優しい子ね~」
「……は」
加奈子の口から、未来の名前が出たことに、驚きを隠せない。
「今日ね、授業の前に少し話したんだけど……」
「何で未来のことを知ってんだ」
「その時にね、ついあたし……」
「何で知ってんだよっ!!」
俺の言葉を無視する加奈子に、つい俺は怒鳴るように聞いてしまった。