お前が好きなのは俺だろ?
――ギュッ
「……未来?」
覆いかぶさるようにして繰り返していたキスを止めるように、未来が俺の肩を掴んできた。
「あ、の……ここじゃ……///」
あぁ―……そっか。
また一瞬怖がらせたんじゃないかって思ったけど……そうじゃなかった。
「一緒に、俺の部屋に行く?」
「えっ///」
「でも、俺の部屋に来たら、もう後戻りできないよ?それでも行く?」
優しく聞いたつもりだった。
別にここで拒否されても何とか耐えられるけど……
きっと部屋で拒否されても、止める自信がない。
だから未来の覚悟を聞いた。
「無理しなくても……」
「行く……」
「……え」
「一ノ宮君の部屋に……連れて行って……」
静かなリビングに響いたように、俺の胸にも、未来の声が響いたような気がした―……