お前が好きなのは俺だろ?
「ごめん。遅くなっちゃったね」
息をわざと荒らして、いかにも急いできた雰囲気を出した。
これもいつもの俺のパターン。
「う、うぅん。あたしこそ、ごめんね」
そう言って、謝る目の前の女。
綺麗というより、かわいい系か……?
クリクリとした瞳に、サラサラな黒のストレートの髪。
「ふっ、何でキミが謝るの?」
そう言っただけで、頬がほんのり赤くなる。
今時の女にしては、化粧も薄い。
そのせいか、童顔が引き立っている。
でも、肌は白くとても綺麗そうだ……
ただ全体的に見て、普通の女だな。
「それで、話ってのは何かな?」
「……」
「あの……?聞いてる……?」