お前が好きなのは俺だろ?
それって確か……先生の元彼のことだよね……?
「はい……」
でもなんでその話を……?
「あたしね、本当に嬉しかったの……。だから勇気を出して彼に会いに行ったの……」
「そうなんですか!?」
恋バナ的な雰囲気にいつの間にかなってしまっていたけど、元々こういう話は嫌いじゃない。
それに先生がこうやって打ち開けてくれることも、少し嬉しかった。
「でもね……彼にはもう彼女が出来ていて……」
「そ、そうなんですか……」
「うん……」
重い空気になったけど、それ以上言えなかった。
「でもね、素敵な彼のことだもの……。考えてなかったわけじゃないの……。それに彼が幸せなら諦めないとって少しは考えていたのよ……」
瞳を潤ませる先生に、ギューと心が締め付けられる。
やっぱり、先生は優しいし、大人だ……
相手の幸せを願えるなんて―……