お前が好きなのは俺だろ?


「ただ、彼の幸せを願うからこそ、どうしても言わないと……って思って」



……え



ジッと綺麗な瞳があたしを捕える。



何でだろう……



さっきまでは優しい瞳だと思っていたのに……今はその瞳に背筋が凍った。




「彼のことを思うからこそなのよ……これ」



そう言ってそっと目の前に差し出された……携帯。



それを受け取り、画面を見た瞬間……




「っ!!」



息を呑んだ。




「朝に見てしまったの……。彼と……あなたの姿を……」



その画面に映し出されていたのは……玲と……あたしの写真。



「い、一ノ宮君とは親同士の再婚で同じ家に……」



「えぇ、そのことは彼に聞いたわ」



何とか冷静に答えたけど、冷たくそう返された。



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