お前が好きなのは俺だろ?
*卑怯だな‐玲SIde‐
――バンッ!
「……優等生が乱暴にドアを開けちゃダメでしょ?」
資料室のドアを勢いよく開けると、甘い香りを漂わせながら、そう呟くように言った加奈子。
職員室でここに居ると教えてもらってここに来た。
「お前、何を企んでる?」
「ふっ……朝から会いに来たかと思えば、変な玲」
冷たく言う俺に対しても、あの艶美な笑みは壊れることはない。
「しらばっくれんなよ。朝から俺の家の周り、うろちょろしやがって」
「……」
「俺言ったよな。もう二度と来るなって」
「……」
「黙ってないで何とかいえよ」
「……」
「おいっ!!」
イライラする。