お前が好きなのは俺だろ?
それから家族団らんの食事は進んだ。
「じゃあ、そろそろ帰りましょうか」
「そうだな。タクシーを呼んでもらおう」
「父さん、祥子さん。これ」
「「え?」」
ポケットからカードキーを取り出し、テーブルに置いた。
「僕たちからの入籍祝いです」
未来が驚いた顔をしている。
まぁ、そうだろ。
未来に相談しないで、俺が勝手に準備したんだから。
「ここの上ががホテルみたいなんで、今日はお祝いに2人で泊まってください。僕たちは家に帰るので」
「えっ……でも……」
「僕たちからのささやかなお祝いですよ。ね、未来ちゃん」
「う、うん……」
チッ……
やっぱり視線は合わせないのかよ……