お前が好きなのは俺だろ?
「じゃあ、せっかくだからお祝いしてもらおうか」
「えぇ、そうね。ありがとう、玲君。みーちゃん」
嬉しそうに笑う両親に見送られながら、俺たちは呼んでいたタクシーに乗りこんだ。
「……」
「……」
タクシーの中では家に着くまで、終始無言だった。
――ガチャ
家の鍵を開けて、2人で真っ暗の家に入る。
「あっ、電気……」
――ギュッ
「……え」
電気に手を伸ばす未来を、後ろから抱きしめる。
「え、れ、玲?」
動揺したように、でも俺の腕の中でじっとしている未来。