お前が好きなのは俺だろ?
「でも、その時はその時でちゃんと挨拶するし、俺も未来を養っていく力をつけるまでは待つつもりです」
まさか玲がそこまで考えてくれていたなんて……
「父さん、俺を信じてください。あなたの大事な娘は、俺が大切にします」
「玲……」
「だから、俺たちの交際を認めてください」
そう言って深く頭を下げる玲。
そんな真剣な姿に、また涙がでそうになる。
「勇吾さん、もう本当は分かっているんでしょ?」
「祥子……。あぁ、そうだな……」
ふっと笑顔をあたしたちに向ける勇吾さん。
「私も大人げなかったね。そうだよね。息子と娘の幸せを願うなら、その2人の想いを一番に考えないといけないよね」
「勇吾さん……」
「父さん……」
ジーンと胸が熱くなる。