お前が好きなのは俺だろ?


「……加奈子はさ、俺の中学の時の家庭教師だったんだ」




「え……」



唇を離すと、ギュとあたしを抱きしめて話し出した玲。



まるであたしを心配させないように……



「好きとかそんなのは全くなかったけど、体を求めてきた加奈子を俺は拒否しなかった」



「っ……」




飯田先生との関係は大体分かっていたけど、はっきりと玲の口から聞いて、つい体が震えた。




すると、そんなあたしの不安に気付いたかのように、腕の力を強める玲。




「だからあいつが海外に行くって聞いた時は、別に引き止めなかったし、引き止める必要もなかった……」




「……」




「女との関係なんて、そんなもんだと思ってたし……」



……玲。




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